関東学院小学校では、毎年、子どもの本の作家さんをお招きして「ほんの学校読書会」を行っています(最下部参照)。
今年は『糸子の体重計』の作者 いとうみく さんが来てくださいました。
低学年むきの本からYA・青春小説まで、たくさんの本をお書きになっているいとうさん。
ホワイエの展示コーナーに展示したり、
ライブラリーの時間に紹介したりして、全校でいとうさんをお迎えします。
読書会に参加するのは5年生と6年生です。そのうち5年生は、課題図書として全員が『糸子の体重計』を読んで読書会に臨みます。
「糸子」をはじめとして登場人物は同じ5年生です。さまざまな感想や疑問をもったようです。
朝読書の時間に読んでいる6年生の姿も見られました。
当日は5・6年生にくわえて
保護者の方も参加してくださいました。
「『糸子の体重計』を書いてデビューしたのが2012年です」
「スポ根ものを書きたかったのですが、すでにたくさん書かれている。そこで思いついたのが、なぜかダイエットだったのです」
「スポーツとダイエットって、どこか通じるところがある。人間って、一生懸命になると滑稽さが出てくる。必死な姿は自然におもしろくなる」
「“糸子”が出てくる一話でおしまいのつもりだったのですが、先輩の作家さんから、もうすこしまわりの人を書いたらどうか、とアドバイスをいただき、あとの物語を書きました」
「人はいろんな価値観をもっていて、いろんな考え方を持っている。それを自分と違うって、否定しなくていいと思う」
「“細川糸子”って、ぽっちゃりした女の子でしょう。それと正反対の名前をつけた。本になって読み返してみると、“糸子”って、人と人をつなぐという意味のある名前であることに気づいた」
「苦手な人がいても、ネガティブにとらえることはない。そういうときは、離れる、距離をとるといい。でも学校はそうできないときもある。けれど、それはあなたのせいでも、相手のせいでもない」
「作品て、人間を描くことだと思ったんです」
心に響くお話が30分。ここからは子どもたちからの質問タイムです。
「『糸子の体重計』と続編の『ちいさな宇宙の扉のまえで』、どちらが質がいいですか」
「『糸子の体重計』は最初からハッピーエンドにしようと思って書いたのですか」
「『糸子の体重計』はなぜ小学5年生にしたのですか」
「2つの作品の中で、現実にいたらいいと思う子はだれですか」
課題図書としてしっかり読み込んできているので、作品にかかわる深い質問が続きます。
「本を書くときに体験を参考にするのですか、ほかの本も参考にしますか」
「書き終わったときにどういう気持ちになりましたか」
「もし作家になっていなければ、何になっていましたか」
「『二日月』にモデルはいますか」
「『朔と新』の朔と新で、なぜ兄の朔のほうを視覚障害にしたんですか」
質問は課題図書からほかの作品にも広がります。
まだまだお聞きしたいことがたくさんあったようですが、読書会はひとくぎり。サイン会にうつりました。
「この本、読んでくれたんだね」
「登場人物、誰が好きだった?」
サインをしながら、一人ひとりとお話をしてくださいました。
お昼休みを過ぎても、いとうさんの前には行列ができています。
いとうみくさんの想いを感じた5、6年生。お礼と感想のお手紙を書きました。
心に響く講演会。
1冊の本から、また世界が広がりました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
これまでに来てくださった作家さんをご紹介します。
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斎藤惇夫さん(2013年度)
(記事はありません)