3年生は「セロ弾きのゴーシュ」を音楽劇にして発表しました。



「セロってなんだろう」

「ゴーシュって?」


宮沢賢治の世界を読み解くところから始まって、一人ずつにあるセリフを練習していきました。



音楽劇ですからセリフにくわえて合唱にリコーダー演奏、



劇中歌の伴奏まで盛りだくさんです。



大きなセロをはじめ



小道具も手づくりです。





衣装を着たら登場人物になりきって、気持ちが入ります。





リハーサルの映像を見て



「遠くからだと動きが見えにくいんだ」

「もっとこうしたほうがいい」



本番直前まで練習は続きます。



「先生、そうお怒りになっちゃ、お体にさわりますよ」
「生意気だ、生意気だ、生意気だ!」



「先生、今夜の演奏はどうかしていますね」



「ちがいます、ちがいます、そんなんではないです」
「なんだと。おれがきさまに教わっているわけではないんだぞ」
「ぼくたちならどんなにいくじなしでも、喉から血が出るまで叫ぶんですよ」
「こんなばかな真似をいつまでもしていられるか。出ていけ」



「ゴージュさんはこの二番目の糸をひくときはとくに遅れるねえ」
「いや、そうかもしれない。このセロは悪いんだよ」



「もういっぺん、弾いてくれますか」
「いいとも」




「先生、この子のあんばいが悪くて、治してやってくださいまし」
「おれが医者などやれるものか」



「ここらのものは、病気になると先生のお家の床下に入って治すのでございます」
「ああ、そうか。よし、弾いてあげよう!」



「たった1週間か10日の間にずいぶん腕を上げたな」
「やろうと思えば、いつでもできるんじゃないか、ゴーシュ」



動物たちに助けられセロを上手に弾けるようになったゴーシュに、3年生の姿が重なります。



「この音楽会の最優秀賞はみなさんです!」



初めてのクラス替え、教室も3階になった3年生。新しい友だちと新しい教科の勉強が始まりました。


社会科では身の回りから社会に目を向けていきます。



1学期には学校のまわりを探検して



地区センターにも行きました。




2学期には生活に関わりの深いスーパーマーケットや



商店街、



工場の見学に行きました。




そして3学期。「まちを守る人」の学習では南消防署・消防団員の方々が出前授業に来てくださいました。



消防団車両を見せていただいたり、



ホースを実際に持たせていただいたり、



119の電話の仕方や消火器の使い方も教えていただきました。



「こんなに重いものを持って、助けに行ってるのか」
「火事が起きたときにも冷静でいられるのはすごいな」
「わたしも人の役に立つ仕事につきたいな」



たくさんのほんものに触れ合って、働く人の思いを感じ、自分たちの生活がたくさんの人によって支えられていることを実感しました。


そして、「なるほど!」と学ぶだけでなく、「どうして?」と新たな問いをたてて解決していく力も身につきました。



たくさんの不思議に出会う理科の学習は春探しからはじまりました。



「いつカエルになるかな」



虫眼鏡を持って校庭を探検。



「これもみてみよう!」



花壇で育てたホウセンカ、ひまわり、オクラ、大豆から



タネをとったり



お豆腐を作ったり。



ゴムや風の力の実験では



どうしたら速く、遠くまで走るか工夫しました。



「紙が焦げた!」



日光の力を実感したり



音の伝わり方を確かめたりしました。




卵から育てたカイコの繭を使って



お花を作り、クリスマスカードを飾りました。





雪が降っても



元気いっぱいの3年生。



初めてでむずかしいことも



まわりのお友だちが助けてくれて、



今では学校中に3年生の笑顔があふれています。



「エスペランサ」(希望)のもとにワクワクした1年間をすごした子どもたち。みんなで支え合い喜び合う経験をたくさんして4年生へと進んでいきます。