10月28日(水)、富安陽子さんをお迎えして、
5、6年生と保護者有志を対象とした読書会を行いました。
「君がシノダ家の一員だったら? 『チビ竜と魔法の実』の創作背景」
と題した1時間の講演と、サイン会というプログラムです。
富安さんは、
おばあちゃんからたくさんのお話を聞いて育ったそうです。
それもちょっと怖い話が多くて、
かっぱが出てきたり、「すねこすり」という妖怪が出てきたり...。
どれも、遠いところの話ではなくて、すぐ近くでおこった話や、
日常の中で今にもおこりそうな話ばかり。
見えないけれども、すぐ近くに不思議がたくさんあるんだ、
という思いをたくさん持った子ども時代をすごしたそうです。
そんな子ども時代の数々のエピソードの中に、
富安さんの物語世界への入口がありました。
5年生は全員が『チビ竜と魔法の実』を読んでいます。
質問タイムでは、
「魔法の実はいくつあるの?」
「チビ竜はほかにもいるの?」
「ユイ、タクミ、モエの名前は、どうやって決めたの?」
など、物語をよく読み、楽しんだことがわかる質問が出されました。
「今までの作品でいちばん思い入れがあるのはどれですか?」
「どうして作家になろうと思ったのですか?」
など、6年生からは作品を書くことについて核心を突く質問も続きました。
「物語を書くときに気をつけていることはなんですか?」
という質問には、
「本を書くときに気をつけていることは、
生きていくことはいいことだよ、
生きるに値する価値がそこにはあるんだよ、
という思いが子どもたちに伝わるように、ということです」
とお答えになり、講演会をしめくくられました。
講演会後には、子どもたちが持ってきた本に
一人ひとりていねいにサインをしてくださいました。
本にあわせたイラストの添えられたサインは、
子どもたちにとって大切な宝物となるでしょう。
小学校が富安ワールド一色に染まった一日でした。