10月6日は関東学院の創立記念日。小学校は創立67周年、学院は創立135周年を迎えました。

 

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10月4日(金)に守られた小学校の創立記念礼拝では、25回生の山口賢さんをお招きし、お話をうかがいました。

 

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設計のお仕事をされている山口さんは、小学校で学んだことが今の仕事に通じていることを、ご自分が設計された建物を紹介しながら分かりやすくお話してくださいました。

 

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山口さんの設計なさる建物は、周りの景色やそこで生活する人を大切にし、景色と調和するように考えられたり、豊かに暮らせるように工夫されたりしています。子どもたちは、その美しく魅力的なデザインに引き込まれ、目をキラキラさせながらお話を聞いていました。

 

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山口さんは、小学校の造形の時間が大好きだったそうです。造形の先生でいらした足立先生は、美しく完成された作品をもちろん評価してくださいました。しかしそれ以上に、「何に着目して取り組んだか」「どのようにそれを作っていったか」、そして何より「一生懸命、努力して作っていたか」ということを評価され、作品が出来上がるまでの過程を大事にされていたそうです。山口さんは、6年間の造形で学んだことが今でも身体に染み込んでいる、とおっしゃいました。

 

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カラマツの明るく美しい林に着目してつくられた別荘。

 

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美しい林の景色をできるだけこわさないように工夫していこうと考え、コンクリートではなく自然の地面のまま、木が生えているように、スリット状の壁と窓を交互に配置しました。そしてそのような外壁のつくり方をしたことで、木と木の間から光が落ちてくるような、木もれ日のような内部空間をつくることもできたそうです。障子のデザインも、カラマツの木の樹皮を真似て、あみだくじのようなパターンの格子にされました。

 

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桜の木と調和する、茶色の保育園。

 

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みんなが楽しく遊べるように、外の景色が見えるように、いろいろな形の窓を作りました。背の高い子でも見える高い窓、小さい子でも見える低い横長の窓、みんなの好きな場所が保育園の中にできるように、と考えながら作られたそうです。

 

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こちらの保育園は敷地がとても狭く運動場がなかったので、運動場を真ん中に作り、それを取り囲むようにして保育室を作りました。窓を開けるとグラウンドが見渡せ、運動会の時には応援席になるように工夫されたそうです。遊ぶ場所が少ないので屋上を平らにし、芝生を植えました。

 

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中はいろいろな色を使ってその場所の特徴をつくろうとしました。好きな色によって、その子の居場所、好きな場所ができるようにと考えました。

 

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そして、ばらばらに並べている色が、正面の一点から見ると虹色に見えるようにしたのです!

 

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スライドが映された瞬間、子どもたちから感嘆の声が上がりました。

 

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「小学校の時に足立先生に教わった、何に着目してそれをどのように作っていくか。その方法をよく考えなさい、ということ。今も同じことを一生懸命続けています。まだまだずうっと努力していかなければいけないな、と思ってがんばっています」
と山口さんはおっしゃいました。

 

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「皆さんも、自分の好きなことを一生懸命やっていけば、大人になって役に立つものがいっぱい備わっていきますので、努力を続けてください」

 

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建物を紹介された後、山口さんのつくられた保育園で元気に遊んでいる園児たちの様子を映したビデオを見せてくださいました。その映像は、かわいらしい子どもの笑顔のカットで終わり、それを撮影していらしたであろう山口さんの、穏やかな笑い声が入っていました。

 

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さいごに山口さんは、
「私が大切にしていた40年前と、校舎もグラウンドも変わっていますが、子どもたちの笑顔あふれる小学校の姿は何も変わっていません。これからも笑顔あふれる関東学院小学校でありますように」
とお祈りされました。

 

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関東学院小学校の、変わらないもの、大切にしたいもの、守っていきたいものを改めて思い起こさせ、祈りを深めた創立記念礼拝でした。

 

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