関東学院小学校では「ほんの学校」プロジェクトの一つとして子どもの本の作家さんをお招きしての読書会(講演会)を毎年実施しています。

 

ことしは、11月1日(木)、松岡享子さんが来てくださいました。

 

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松岡さんは児童文学の研究、創作、翻訳家として知られ、また1974年に設立した東京子ども図書館の理事長として40年以上にわたって運営に携わってこられた方です。翻訳としては『くまのパディントン』『がんばれヘンリーくん』シリーズなど、創作としては『なぞなぞのすきな女の子』『おふろだいすき』などがあり、戦後日本の児童文学界を代表する作家、研究者です。

 

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松岡さんのご好意により、例年の5、6年生対象の読書会とサイン会にくわえ1、2年生対象のおはなし会もしてくださることになり、子どもたちも保護者のみなさんもこの日をたのしみに待っていました。

 

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午前中は5、6年生対象の読書会です。5年生は『くまのパディントン』を読んで参加しました。

 

開始時刻前から静かに座って待っている子どもたち。登壇された松岡さんが歩きながらバッグからパディントンのぬいぐるみをそっと出すと、子どもたちの目はそこに釘づけ。一気に距離が縮まりました。

 

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事前にお送りした子どもたちからの質問に答える形で、お話が始まりました。
「一番好きな登場人物は」
「パディントンの中で一番嫌いな登場人物は」
「なんで作家になろうと思ったんですか」
「一番好きな作品はどれですか」
お答えに困りそうな質問にも、誠実に応答してくださいました。

 

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「作家になろうとは思っていなかった」
というお答えが、子どもたちにとってとくに印象に残ったようです。図書館員として働いているうちに翻訳をするようになったそうです。

 

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読書会が終わると、子どもたちが持ってきた自分のパディントンの本に一人ひとりていねいにサインをしてくださいました。

 

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午後は1、2年生対象の「にじの会」(おはなし会)です。ご自身の訳された『番ねずみのヤカちゃん』を、たっぷり25分、語ってくださいました。ドドさん夫婦のねずみ退治作戦とヤカちゃんのやかましい声。ユーモラスな展開に会場はたびたび笑いにつつまれます。おまけのおはなしに「ばかなこねずみ」も披露してくださり、子どもたちも保護者のみなさんも、松岡さんの語りの世界にひたっていました。

 

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